About BLRM デルトリンテム
皆さま、ご承知の通り、今から約100年も前の、
1920年から、カールツァイス イエナで生産が開始され、
1990年まで、70年間の長きに渡り、製造された
デルトリンテム DELTRINTEM 8×30 は、
世界で初めての 広視野 ポロ式 双眼鏡として、
8×30 のポロ規格を 世に示し、
その後、様々な双眼鏡メーカーに影響を与え、
世界中の双眼鏡の模範モデルとなりました。
100年経った 今も尚、それは変わらず、
「 双眼鏡の鑑」「ザ・双眼鏡」 等と言われる所以です。
戦時中、ロンメル将軍が愛用していた事でも有名です。
150m/1000m 8.5 度 の広々とした視界、
対象物が浮き上がるような立体感、
現在のハイエンドにも負けず劣らずの 中心像のシャープさ、
独特の濃い色味と、それが もたらす 演出感、
シャープでありながらも 柔らかい アナログ的な像質、
現代のハイエンド双眼鏡さえも及ばない、
自然な奥行き感と距離感、等、
非常に魅力的な見え味を持つ 双眼鏡の傑作モデルです。
さすがに、現在のハイエンド双眼鏡と比較すると、
コントラストや周辺像の歪み、透過率、収差 等、
光学的なスペックは 当然 劣りますが、
それを モノともしない 独特の見え味の魅力があります。
また、その歴史が長い故、色んなバージョンが存在し、
それぞれに 魅力的な 独自の見え味があり、
「 沼性が高い」と言う事実も、更なる 魅力となっています。
とりわけ、非球面レンズが採用された リヒター モデル や、
1951年〜1967年くらいの間、イエナ工場で製造され、
当時の世界最高品質である事を、
ドイツ品質 製品検査局によって、認可を受け、
その事を誇らしげに 刻み込まれた、
正真正銘、真の「 1Qモデル 」等は、
鉄板とも言える デルトリンテムの代表モデルであり、
ドイツのクラフトマンシップの極みです。
後に アイスフェルド工場で生産された個体とは、
工作精度の高さ、造りの良さ 等で、一線を画しています。
( 後年には、日本を含め、ドイツ以外の国でも生産されていましたが、
以前の 1Qモデルとは、雲泥の差のクォリティです。)
完成され尽くした、完璧とも言える バランス、
機能美溢れる そのデザインは、非常に手に馴染み、
これほど 使いやすい双眼鏡も、なかなか ありません。
そんな デルトリンテムですが、やはり 製造されてから、
かなりの年月が経っている為、残念ながら、
殆どの個体が、プリズムが曇っていたり、
光軸が狂っていたり、グリスが固着していたりして、
本来のパフォーマンスを発揮出来ていない状態となっています。
また、ヤフオクやeBay等でも よく出ているようですが、
例え、どれだけ外観の状態が良くても、
殆ど全ての個体が、ほぼ 100% の割合で、
プリズムに、多かれ少なかれ 曇りが確認されます。
中には、プリズムの曇りや、カビに、
まったく気が付かぬままに、
こんなものか…… と、使ってらっしゃる方も、
案外 多く、いらっしゃるかも知れません。
プリズムの曇りや汚れは、対物レンズから
天井の蛍光灯や、晴れた日の外 逆光、等を見て、
目視で 覗いたくらいでは、分からないからです。
逆に、そのような方法で見てみて、
「少し曇りがある。」と 認識出来るような個体は、
想像以上に、かなり曇っていると思って、
まず 間違いないでしょう。
常識的に考えれば、約 50年以上、
半世紀 以上も前の 古い製品な訳ですから、
メンテナンス無しに 使用出来る、とは考えない方が
自然ですし、当然のような気がします。
とは言え、少しばかりの曇りがあっても、
驚く程、良く見えますし、特に双眼鏡の初心者の方は、
それでも十分、満足されるかも知れません。
かく言う、私自身も、以前はそうでしたし、
それをキッカケに、ヴィンテージ双眼鏡の
素晴らしさを垣間見るキッカケとなれば、
それはそれで、素晴らしい事だと思います。
しかしながら、やはり きちんとメンテナンスされた、
一点の曇りも無いデルトリンテムの見え味は、
そうでない個体とは、一線を画するのは事実です。
さて、BLRMでは そんな 双眼鏡の一つの歴史を作った来た、
と言っても過言ではない デルトリンテムに敬意を表し、
1台 1台、それぞれの個体が持つパフォーマンスを
最大限に発揮させる為、光学系は勿論、外観も含め、
可能な限りの メンテナンスを施した個体のみ 扱っております。
プリズムの曇りや 光軸の狂い 等、
双眼鏡の状態を 全く 気にする事なく、
届いた その日から、安心して使用出来るのは勿論の事、
徹底的にクリーニングされた プリズム群、
鏡体内部の カビ菌の殺菌処理と クリーニング、
JIS規格以上にシビアな範囲内で 精密に調整された 光軸、
鏡面のように ピカピカな プリズムパネル・・・
等、これ以上は望めないくらいに、
可能な限りに レストアされた その クォリティは、
世界中 何処を探しても、これ以上の デルトリンテムは、
他では決して 手に入らないのでは!? と思われます。
また、オーバーコッヘン同様に、フォーカスリングの
無限遠=0位置 となるよう、再調整しています。
現在 入手出来る、そして、現代に蘇った、
その個体、個体における、最高のクォリティのデルトリンテム、
双眼鏡好きの、双眼鏡好きによる、
双眼鏡好きの為の デルトリンテム、
それが、 「 BLRM DELTRINTEM 」 なのです。
適度に調整されたトルクのフォーカスリングを回し、
その 心地良いフィーリングを感じながら、
ピントが合った その瞬間に、
長い時を越えて、蘇った デルトリンテムの、
歓喜の歌声が聴こえるのではないでしょうか・・・
どうか、末永く ご愛用頂ければ 幸いです。